日常生活の何気ない動作で発生するギックリ腰とは何でしょうか

ギックリ腰にかかったことのない人であってもその名前と症状はご存知かと思います。そして実際にかかってみると、想像していたよりも遥かに痛くきついものです。そしてこれは日常の何気ない動作の中で突然起こり、身動きが取れなくなります。いつ来るかわからない不安感からドイツ語圏では「魔女の一撃」と言われています。このギックリ腰がなぜ起こり、どう予防できるかを説明します。

ギックリ腰の症状

宮前区 腰痛,ギックリ腰
  • 体をちょっと捻った拍子に
  • 下に落ちたものを拾おうとかがんだときに
  • 重いものを持った拍子に
  • 咳やくしゃみをしたときに
  • 靴を履こうとしたときに
  • 掃除機をかけたときに

こんな日常のなんでもない動作でギックリ腰が起こることがあります。
ギックリ腰は正式には急性腰痛症といい、その名の通り突然腰が痛くなることの総称として使われることが多いです。ギックリ腰を起こすと、体を動かしたときに腰を中心に傷みが突然生じます。激痛は「腰骨が折れたよう」「腰に太い梁を差し込まれたみたい」と表現されるほどです。腰に全く力が入らず、その傷みは、ひどい時は痛くて起き上がることも座ることも歩くことも出来なくなるほどで、ドイツ語圏ではギックリ腰のことを「魔女の一撃」という俗称で呼ぶこともあるほどです。

何か物を持ち上げようとしたとき、かがんだり、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いですが、朝起きた直後や何もしないで起こることもあります。顔を洗おうとして体を曲げる、靴下を履こうとしてうつむく、中腰で荷物を持ち上げる、あるいは、何気なく振り返るなどの日常の何気ない動作がきっかけで生じることがあります。

痛みの理由はさまざまですが主な痛みの原因は背中の筋肉・筋膜の損傷です。腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかってけがをしたような状態(捻挫、椎間板損傷)、腰を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷などが多いと考えられますが、詳細は不明です。
腰椎(腰骨)は5個の椎骨で構成されており、それを支えている椎間板や関節、筋肉や靱帯などに部分的な損傷が起こり、強い痛みが生じると考えられています。

ギックリ腰の原因

宮前区 腰痛,ギックリ腰

比較的多くの方が勘違いをしていることですが、ギックリ腰の痛みの原因は骨ではないことが多くあります。腰痛=骨に異常ではなくて、大抵の場合は筋肉の炎症です。ですから、どういうときに炎症が起こりやすいかということになります。

暴飲暴食などで胃腸が弱くなると、背中側の筋肉が緊張をしはじめます。人間の身体の優先順位から考えると一番守らなければならないのは内臓で、筋肉や骨にはそれを守るという役目があるからです。そして人間の筋肉は対になってお互いに引っ張り合っているので、背中側の筋肉(脊柱起立筋)が緊張しはじめると、お腹側の筋肉(腹直筋)も緊張しはじめます。
実際、ギックリ腰の患者数は通年いるにせよ、12月が一年の間で最もギックリ腰の出やすい季節になります。忘年会や新年会でお酒をたくさんのみ、体内から体を冷やしてしまうと腰の筋肉は冷え固まりやすくなります。そこに慣れない運動や動きを加えてしまうと、起き上がり・立ち上がり・背伸びなど、普段は何の問題もなくできる行動でもギックリ腰を引き起こしかねなくなります。

ギックリ腰は慣れない動きから起きることもあれば、なんでもない程度の動きから生じることもあります。ギックリ腰になった原因でよく言われるのが、「重いものを持ち上げたとき」「洗面台で洗顔したとき」「くしゃみ」「寝起きに急に飛び起きたとき」などです。これらに共通するのは「おじぎ姿勢」です。特に両膝を伸ばした状態でのおじぎ姿勢は中腰姿勢と呼ばれ、腰痛の危険動作として知られています。

また長時間座っていることで腰にある腰方形筋と腸腰筋とお尻にある中殿筋が固まりやすくなります。
腰方形筋は第12肋骨から骨盤に走行している筋肉で、骨盤を支えています。長時間同じ姿勢をすると腰方形筋が硬くなり骨盤の動きが悪くなってしまいます。そのため、立ち上がる際に腰を痛めてしまうことがあります。
腸腰筋は腰椎から股関節の前面に走行する筋肉で、座るというのは股関節を曲げた状態なので、この筋肉に常に力が入ってしまいます。そのため長時間座っているとこの筋肉が疲労し硬くなりやすくなります。
中殿筋はお尻にある筋肉で、座っているとこの筋肉に体重をかけた状態になっています。この筋肉が固くなると、骨盤の動きが悪くなり腰への負担が多くなります。中殿筋は高確率で腰痛の原因となる重要な筋肉です。ギックリ腰で急に動けなくなった場合に最初にこの筋を疑うという人もいます。

ギックリ腰の予防策

宮前区 腰痛,ギックリ腰

ギックリ腰はさまざまな原因から発生し、その予防策も一様ではありませんが、上であげたような筋肉を守り、鍛えるということが予防策となります。

暴飲暴食を避け、消化に良いものを食べる

胃腸が弱ることからギックリ腰が起こることがありますので、身体の出すサインには早めに気づくようにしましょう。胃腸が弱ると身体は甘いものや脂っこいものを欲しがるようになります。これはすぐにエネルギーになるからですが、これらのものはその反面で消化器官にストレスをかけます。過剰に摂取すると弱っている胃腸にさらにダメージを与えてしまいます。

お風呂に入る

湯船に浸かることで身体の奥まで温めることができ、かたまっている部分の筋肉を緩めることができます。10分間湯船に浸かることがおすすめです。

ストレッチ

腰痛は筋力が弱いとなりやすいですが、身体が固くなるとなおのこと起こしやすくなります。
腰方形筋と腸腰筋と中殿筋のストレッチ方法をご紹介します。

腰方形筋

腰の奥深くにあり、腰椎を両側から支えている長方形の筋肉です。姿勢を安定させるのに重要な役割を果たしています。左右対称についている筋肉なので、そのバランスが崩れると片方の腰だけ痛んだり腰をひねったときに痛みが生じます。

  1. 四つん這いの姿勢を取る
  2. 息を吐きながらお腹が天井に引っ張られるように引き上げ、ゆっくり背中を丸める。この状態で5秒キープ
  3. 四つん這いの姿勢に戻る
  4. 息を吸いながらお腹をおろし、背中をそらしてお尻を突き出す。この状態で5秒キープ
  5. 1から4を5回繰り返す

腸腰筋

腰方形筋が腰を後ろから支えているのに対して、腸腰筋は前方から支えています。腰椎から骨盤、大腿骨に向かって走行している筋肉です。座りっぱなしだとこの筋肉が縮んだままになるので腰が伸びづらくなります。

  1. 正座の姿勢になってつま先を立てる。このとき肩が前に来ないように背筋を真っ直ぐにする
  2. 左足を前に大きく出して踏み込む。右足は膝下を伸ばして足の甲を床につける
  3. 左足に体重をかけて、右足の膝をさらに後ろに引く。右手で右のお尻を押してさらに腰を前に押し出す。この姿勢を10秒キープ
  4. 右足も同様に行う

中殿筋

中殿筋はお尻の筋肉の中で2番めに大きく、一部は大臀筋に覆われています。股関節を付け根から外側に開く動作に関係します。

  1. マットなどを敷いた上に両足を伸ばして座る。上半身は両手でバランスを取りながら後ろに体重をかける
  2. 数字の「4」を足で作るように、右足の外くるぶしを左膝の上に乗せる
  3. 左足を立てて、10秒間キープする
  4. もとに戻して左足でも同じように行う