建設現場におけるデジタル化、ICT建機について
手作業が多かった業界である建設現場にもデジタル化による、作業効率の向上を目的としたシステムが導入されています。建機システム(ICT建機)についてここでは紹介いたします。
ICT建機とは
これは2008年に土木工事から導入された、情報通信技術を取り入れられている重機を指しており、デジタル化によって設計図を2D・3D化、そして自動制御などを可能とした重機です。
渋滞は丁張の設計・施工・検測など人が手作業で行うものが多かったですが、そこには危険がつきもので、事故が起こってしまうような現場もあります。
しかしICT建機を利用した施工は人の手を不要とし、従来よりも安全な施工を実現しているのです。
また、繰り返し必要だった手作業がなくなるということは、その分時間の短縮になりいます。
工期を大幅にカットし、より効率的な施工が可能です。
そうすると、受注量を増やすなど、さらに売り上げが見込める行動をしていけます。
手作業が多い業界を突然デジタル化すると混乱させてしまう可能性があります。
しかし人ではできないような事ができ、そして効率的な作業ができるようになるデジタルは、これから成長する企業にとって必要不可欠なものといえます。
ICT建機に関する情報をしっかり取り入れていき、未来の成長を目標に導入を検討したいところです。
ICT建機の種類と違い
ICT建機は二種類あります。
・MC(マシンコントロール)
こちらは自動制御のICT建機で、2D・3D設計図と現況地盤データから差分算出、その結果にそって重機が自動的にコントロールされます。
設計ラインから外れた操作ができず、もし行おうとすると重機が止まってしまいます。
データからの算出で行動が完全に決まり、それ以外の操作は行えません。
一見不便なように感じられるかもしれませんが、これはデータがあれば実行できるということ、そして自動制御なので、オペレーターの技量を必要としません。
構成さえきちんとされていれば、誰でも重機を動かせるので、未経験者が最後の難しい仕上げまでこなせる、そんな優れモノなのです。
ただし、従来の重機に取り付けができず、専用の重機を購入する必要があります。
そのため費用は高額に、また完全に任せっきりになってしまうと、手作業が必要になってしまった際工事が止まってしまう可能性があります。
導入できる重機はブルドーザ、モータグレーダ、アスファルトフィニッシャなどです。
・MG(マシンガイダンス)
こちらは操作補助タイプのICT建機で、基本的なシステムはMCと同じです。
自動追尾の計測装置で入手した設計データ、現況地盤データの差分を算出するまではMCと同じで、MGの場合はそれらが操縦席に表示されます。
その情報に基づいてオペレーターが操作する、というのが大きな違いとなっており、技量によって作業に差異があります。
操作補助としての役割があるMGシステムは、施工に関する情報をモニターと、音声通知で行ってくれます。
オペレーターの腕による部分があるものの、それでも今までに比べて手順は少なく済みます。
導入できる重機はブルドーザ、バックホウなどで、こちらはMCよりも安く導入できます。
ICT建機を導入する具体的なメリット
導入にあたって具体的なメリットを知っておくのは必要なことです。
ICT建機を用いることにより、得られるメリットについて紹介いたします。
・時間効率の向上
手作業では必要な工程がICT建機を用いることにより、いくつかの工程が必要なくなります。
その結果時間短縮が見込まれ、工期自体が短くなるのです。
そうすると受注数を増やせるため、その結果会社の利益を増やせると見込まれています。
その具体的な数字ですが、今までの作業時間を40%以上短縮できたという結果が得られています。
工事の内容によりますが、そうしたメリットが実際にある、という事実は変わりません。
・安全性の向上
土木工事現場には危険がつきもの、しかしそこに踏み入って、手をいれていく作業を要することがあります。
重機から下りて手作業をする、というのを繰り返すので、その度に危険があります。
ICT建機の場合、得られているデータから算出していき、作業を進めていきます。
その内容は手作業を必要とせず、重機に乗ったままで進められるものが表示されています。
重機の乗降は安全性において今まで問題視されていましたが、それが解消されるので、現場の作業員の安全性が向上されます。
・生産性の向上
ICT建機は自動制御のものもあり、それを利用するとオペレーターの技量関係なく、難しい仕上げ工程まで済ませられます。
人員をより有用な配置にでき、未経験者でもできる作業をICT建機では可能としていますので、ベテランの作業員の方はもっと経験が必要な高度な作業を、そして自動制御で問題ない作業は未経験の作業員にふれます。
全てに経験者をふらなければならない、という必要がなくなり、その結果生産性が向上していくと見込まれています。
こうしたメリットがあるのがICT建機、職人の方々でないとできない作業、というのが随分減ります。
未経験の方でも業界に入りやすくなり、その結果慢性的な人員不足が解消されるものと期待されます。
ICT建機を導入する際の留意点
現時点でいうと、建設業界は職人の方々がたくさん在籍されており、支えられています。
ICT建機はとても有用なものですが、その結果職人かたがたに受け入れられない、という可能性があるため、留意しておく必要があります。
ICT建機はいわゆる職人の勘というもので操作できません、手作業で今までやってきた作業をデジタルでする、ということで、なかなか受け入れられない可能性があります。
その際にしっかり理解を得られるようにするためにも、ぜひきちんと知識をいれて納得いく説明を丁寧にできるようにしておくのがおすすめです。
建設業界にもたらす変化
建設業界には今まできつい・危険・汚いという3Kのイメージがありましたが、ICT建機の導入によりそのイメージが払拭される可能性があります。
手作業での施工は3Kがつきものな工事、しかしデジタル化することで、安全性を確保し、オペレーターとしての経験を積んでいくことでしっかり作業をこなせるようになります。
また、効率的な作業が可能なため、工事後にでる土砂など、片付けをするものが減ります。
こうした手間がなくなり、その結果3Kである必要はなくなっていきます。
ただし、長時間のデスクワークと同様の状況になるので、そこは気を付けておきたいところです。
ICT建機についてのまとめ
ICT建機は建設業界において革命をもたらしてくれる、そんな画期的な重機です。
それは現場の効率を向上させ、安全を確保し、無駄な土砂を発生させずに片付けの手間も減らせます。
もともとの方法が浸透している状態で突然の変更は難しいかもしれませんが、しっかり従業員の理解を得て導入を目指していきたいところです。
慢性的な人手不足を嘆かれているこの業界、こうしてイメージをクリーンなものにしていくと、人手不足の解消につながる可能性が高いです。
建設業界だけではなく、全てのビジネスにおいてデジタル化は必要不可欠になっています。
その波に乗り遅れないように、ICT建機についてしっかり調べていくのがおすすめです。
導入の際、予算が足りない場合は購入ではなくレンタルの検討も可能です。
専用窓口にて、詳しい話を聞けるるので、問い合わせをおすすめいたします。